コラム2026/07/29
【コラム】「評価の時だけ部下を見る」では、育成はできない ~人事考課を人材育成につなげるために必要な「日々の観察」とは~
人事考課の時期になると、多くの管理職が評価シートを前にして考え込みます。
「この半年で、どんな成長があっただろう。」
「改善してほしい点はすぐ思い浮かぶけれど、良かった点は何だっただろう。」
こうした場面は、多くの企業で見られます。
評価制度そのものに問題があるわけではありません。
むしろ、「評価のタイミングになってから思い出そうとすること」に難しさがあるのではないでしょうか。
人は「できていないこと」を記憶しやすい
人は、ミスや課題など印象の強い出来事を記憶しやすい傾向があります。
一方で、
日頃から周囲をサポートしていた
お客様への対応が丁寧だった
報告や相談のタイミングが良くなった
少しずつ仕事の精度が上がってきた
といった前向きな変化は、「当たり前」として流れてしまい、記憶に残りにくいものです。
その結果、評価の場面では改善点ばかりが思い浮かび、
「もっと頑張ってほしい」
というフィードバックに偏ってしまうことがあります。
しかし、人事考課の目的は、改善点を指摘することだけではありません。
部下の成長を振り返り、次の成長につなげることも重要な役割です。
評価は「その日」のために行うものではない
では、どうすれば部下の成長を適切に評価できるのでしょうか。
私たちが評価者研修でお伝えしているのは、
「評価は、その日のために行うものではない」
という考え方です。
評価の時期になってから思い出そうとするのではなく、日々の関わりの中で部下を観察し、小さな変化を記録していくことが大切です。
例えば、
・成長を感じた場面
・良い行動が見られた場面
・改善が必要だと感じた場面
などを簡単にメモしておくだけでも、評価の質は大きく変わります。
日々の記録があることで、
「頑張っていたね。」
という曖昧な言葉ではなく、
「先月のお客様対応では、相手の立場に立った提案ができていたね。」
「以前より報告のタイミングが早くなったね。」
といった、具体的な事実に基づくフィードバックができるようになります。
具体的なフィードバックは、部下にとっても納得感があり、「これからも続けよう」という前向きな行動につながりやすくなります。
人事考課の目的は「評価」ではなく「人材育成」
人事考課というと、「評価をつけること」が目的だと思われがちです。
しかし、本来の目的は、
部下の成長を支援し、次の行動につなげること
です。
そのためには、
改善点だけではなく、強みや成長も伝えること
事実に基づいてフィードバックすること
評価を一方的な通知ではなく、対話の機会にすること
が重要になります。
評価は過去を振り返るためだけのものではなく、未来の成長を支えるためのプロセスでもあります。
日本ODコンサルタンツの評価者研修
日本ODコンサルタンツでは、人事考課者研修を単なる「評価制度の説明」で終わらせるのではなく、
「評価を人材育成につなげるためにはどうすればよいか」
という視点を大切にしています。
研修では、
人事考課制度の目的と役割
評価のばらつきを防ぐ考え方
日々の観察・記録のポイント
納得感のあるフィードバックの進め方
評価面談を人材育成の機会にする方法
などを、ケーススタディや演習を交えながら実践的に学んでいただいています。
おわりに
評価シートを書く時だけ部下を思い出すのではなく、日々の関わりの中で部下を見続けること。
その積み重ねが、公平で納得感のある評価につながり、部下の成長を後押しするフィードバックへとつながっていきます。
人事考課は、「過去を評価する制度」ではなく、「未来の成長につなげる対話の機会」です。
評価制度をより人材育成に活かしたいとお考えの方は、ぜひ弊社の人事考課者研修事例もご覧ください。実際の研修内容や進め方をご紹介しています。
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