3月は、多くの企業にとって評価面談や1on1が本格化する時期です。
しかし現場では、次のような声が管理職から聞かれることがあります。

「結局、自分ばかりが話して終わってしまう」
「普段あまり話せていないので、面談でいきなり本題に入るのが難しい」

先日、ある企業で実施した管理職研修の中で「評価面談のロールプレイ」を行った際にも、同様の悩みが共有されました。

その場で講師から投げかけられたのは、次のような問いでした。

「部下の準備時間を考えずに“今ちょっといい?”と急に面談を始めていませんか」
「今のロールプレイでは、管理職の皆さんが8割ほど話していましたね」

このやり取りは、評価面談の本質的な課題を示しています。


面談が「単発のイベント」になると対話は難しくなる

面談が“特別なイベント”になってしまうと、対話のハードルは一気に上がります。

普段の接点が十分にないまま、限られた時間の中で評価を伝え、納得感を得ようとする。
その結果、管理職は説明することに意識が向き、部下の話を引き出す余裕が失われてしまいます。

こうして本来は対話の場であるはずの面談が、
**「評価を通知する場」**として終わってしまうケースも少なくありません。


面談スキルの前提となる「安心感」

評価面談の質を高めるためには、質問力や傾聴といったコミュニケーションスキルも重要です。

しかし研修の現場を見ていると、それ以前の前提として必要なものがあります。

それは、

「自分の仕事を見てくれている」という安心感です。

どれほど適切な質問を投げかけても、
その前提となる信頼関係がなければ、部下の本音は引き出されません。

その信頼関係は、日常の中で交わされる小さな言葉から生まれます。

「助かったよ」
「よくやってくれたね」

こうした労いや感謝の言葉が、対話の土台をつくっていきます。


「景色」を合わせるための小さな対話

ある企業では、評価面談を円滑に進めるため、面談の前に次のような時間を設けています。

「最近の仕事で印象に残っている事実」を互いに共有する時間です。

例えば、

こうした会話を通じて、
お互いが見ている仕事の「事実」や「解釈」をすり合わせていきます。

日常の中でこのような対話を積み重ねておくことで、
評価面談の場でも自然と率直なコミュニケーションが生まれやすくなります。


面談は「日常の延長線上」にある

評価面談は、当日のコミュニケーションスキルだけで成り立つものではありません。

むしろ重要なのは、
日常の中でどのように関わり、どのような対話を積み重ねてきたかという点です。

近年の評価者研修では、
面談技術の向上に加えて

「日常の対話をどのように設計するか」

という視点が重視されるようになっています。

評価面談をより意味のある時間にするためには、
面談そのものだけでなく、日常のコミュニケーションのあり方を見直すことが重要です。

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