事例・トピックス~育成の森~

コラム2026/07/15

【コラム】相手が動ける伝え方、できていますか? プレゼンテーションのゴールは「話し終えること」ではない

職場では、さまざまな場面で「伝える力」が求められます。

・上司への報告

・部下への指示

・顧客への提案

・会議での説明

・新しい施策の社内共有

そのような中で、

「きちんと説明したのに、相手が動いてくれない」

「必要なことは伝えたはずなのに、認識がずれていた」

「資料は作り込んだのに、相手の反応が薄かった」

と感じたことはないでしょうか。

プレゼンテーションというと、「分かりやすく説明すること」や「上手に話すこと」を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、本来のゴールは、伝えることそのものではありません。

相手が内容を理解し、納得し、次の行動に移れる状態をつくること

ではないでしょうか。


「説明した」と「伝わった」は違う

伝える側は、

「説明した」
「資料に書いた」
「以前にも話した」

と思っていても、相手が同じように理解しているとは限りません。

例えば、新しい業務を依頼するときに、

「この資料を今週中にまとめておいてください」

と伝えたとします。

指示した側には、

・何のために必要なのか

・どの程度の完成度を求めているのか

・誰に見せる資料なのか

・いつまでに一度確認したいのか

という前提が見えているかもしれません。

しかし、その背景が相手に共有されていなければ、

「どこまで作ればよいのか分からない」

「なぜ急ぐ必要があるのか分からない」

「締切当日に提出すればよいと思っていた」

という認識のずれが生まれます。

伝える側にとっては当たり前の情報でも、相手にとっては初めて聞くことかもしれません。

だからこそ、「何を伝えたか」だけではなく、

相手がどのように受け取ったか

まで確認することが重要です。


型を使うだけでは、相手は動かない

プレゼンテーション研修では、

・結論から伝える

・PREP法で話を組み立てる

・ホールパート法で全体像を示す

・要点を絞る

といった方法を扱うことがあります。

PREP法やホールパート法は、話を整理し、相手に分かりやすく伝えるための有効な型です。

しかし、型どおりに話すだけで、相手が必ず納得し、行動してくれるわけではありません。

相手が今どの程度理解しているのか。
どのような情報を必要としているのか。
何に不安を感じているのか。
説明を聞いた後、具体的に何をすればよいのか。

そこまで考えて初めて、伝える技術が相手の行動につながります。

伝えるための「型」は大切です。

一方で、それ以上に重要なのは、相手の状態を見ながら伝え方を調整することです。


伝えるのが上手い人は、相手の状態を見ている

伝えるのが上手い人は、一方的に話し続ける人ではありません。

相手の表情や反応を見ながら、

「ここまでで、認識にずれはありませんか」

「この説明で、具体的なイメージは持てましたか」

「分かりにくい点はありませんか」

と確認しています。

つまり、伝える力とは、話す力だけではありません。

相手の理解度を確かめながら、伝え方を調整する力

でもあります。

相手が理解できていない様子であれば、別の例を使う。
前提知識が不足していれば、背景から説明する。
不安がありそうであれば、懸念点を聞く。
理解しているように見えても、相手の言葉で確認してもらう。

プレゼンテーションは、一方向の発信ではなく、相手とのコミュニケーションなのです。


「事実・背景・期待・次の行動」を分けて伝える

相手が動けない原因の一つに、情報が混ざったまま伝えられていることがあります。

例えば、次の4つに分けて整理すると、相手は理解しやすくなります。

事実

今、何が起きているのか。

背景

なぜ、その話をしているのか。
なぜ重要なのか。

期待

どのような状態になってほしいのか。

次の行動

具体的に、いつまでに何をしてほしいのか。

例えば、

「先月から、お客様への報告が期限直前になるケースが続いています」

という事実だけを伝えても、相手は何を改善すればよいのか分からないかもしれません。

そこで、

「事前に確認する時間が取れず、修正対応が増えているためです」

と背景を伝える。

さらに、

「今後は、締切の2日前までに一度共有してほしい」

と期待する状態を示し、

「まずは次回の報告資料を、木曜日の午前中までに共有してください」

と次の行動を明確にする。

ここまで伝えることで、相手は初めて動きやすくなります。


プレゼンテーション力は、日常の仕事を進める力

プレゼンテーションというと、大勢の前で発表する場面をイメージしがちです。

しかし実際には、日常のさまざまな場面で使われています。

・上司への報告や相談

・部下への指示やフィードバック

・顧客への提案

・会議での意見共有

・1on1での対話

・社内施策の説明

いずれの場面でも必要なのは、単に話が上手いことではありません。

相手が理解できるように整理する。
相手の立場や関心に合わせて伝える。
理解度を確認する。
次に何をしてほしいのかを明確にする。

こうした力があってこそ、コミュニケーションによって仕事を前に進めることができます。


実践とフィードバックによって「伝える力」を磨く

こうした力は、知識として理解するだけでは、なかなか身につきません。

実際に伝え、相手の反応を確認し、フィードバックを受けながら修正することが重要です。

日本ODコンサルタンツのプレゼンテーション研修では、PREP法やホールパート法といった基本的な構成技法に加えて、

・相手の立場や理解度を踏まえた伝え方

・事実・背景・期待・次の行動の整理

・相手の反応を確認しながら進める方法

・実際に話してフィードバックを受ける演習

などを通じて、実務で使える「伝える力」を考えていきます。

新入社員や若手社員の報告・相談から、営業職の提案、管理職の指示・説明まで、対象者や職場の課題に応じた設計が可能です。


おわりに

プレゼンテーションのゴールは、話し終えることではありません。

相手が内容を理解し、納得し、次の行動に移れることです。

「伝えたかどうか」ではなく、

「相手が動ける状態になっているか」

その視点を持つことで、日常の報告や指示、提案、会議でのコミュニケーションも変わっていきます。

話す技術だけでなく、相手の理解を確認し、行動につなげる力をどう育てるか。

これからの人材育成では、その視点がますます重要になっていくのではないでしょうか。

完全オーダーメイドの
研修をご提案します。

全国対応まずはお気軽にお問い合わせください

PAGE TOP