事例・トピックス~育成の森~

新入社員研修2026/06/10

【事例紹介】「会社は友達を作る場所ではない」──新入社員研修で伝えた“協働”の考え方 多様な価値観を理解し、ともに働く力を育むダイバーシティ研修

研修実施の背景

近年、多くの企業でダイバーシティ推進や人的資本経営への関心が高まっています。

一方で現場では、

・世代間の価値観の違いによるコミュニケーションギャップ
・多様な働き方への対応
・ハラスメントへの配慮や指導への萎縮
・コミュニケーション不足による認識のズレ

など、新たな課題も増えています。

特に新入社員は、これまでとは異なる環境の中で、多様な立場や価値観を持つ人たちと働くことになります。

だからこそ入社初期の段階で、

「人は皆違う」

という前提を理解し、多様な人と協働するための考え方やコミュニケーションの基礎を学ぶことが重要です。

今回ご紹介する企業様では、新入社員向けにダイバーシティをテーマとした研修を実施しました。


研修のねらい

本研修では、以下の2点を主な目的として実施しました。

・ダイバーシティとは何かを理解し、意識のアンテナを立てる

・相互理解や関係性構築のために必要なマインドとコミュニケーションのポイントをつかむ


プログラム概要

はじめに

自社の行動基準を知る

・自社の人権方針を理解する

■ 1.ダイバーシティとは

・社会を取り巻くダイバーシティの流れ

・ともに働く多様な人材とは・多様な働き方とは

・ダイバーシティのメリット

・新人ならではの気づき・アイデアを大切にする

■ 2.ダイバーシティ時代のハラスメントとは

・ハラスメントに関する正しい知識

・ハラスメントと指導の違い

・フィードバックを受け止め整理する考え方

■ 3.現場でできることは何か

・相互理解と関係性構築

・自己開示と他者理解

・アサーティブコミュニケーション

■ 4.メンタルヘルスを大切にする

・ストレスに関する知識

・セルフケアの重要性

・物事の捉え方を見直す

まとめ

・研修での気づきの整理

・今後の行動目標設定


「会社は友達を作る場所ではない」

研修の冒頭で受講者へこんな問いを投げかけました。

「皆さんは配属後、どんな人たちと一緒に働くことになると思いますか?」

すると、

・年齢が離れた先輩
・考え方が違う人
・価値観が合わない人
・外国籍の方
・働き方が異なる人

など、さまざまな意見が挙がりました。

社会人になると、多くの人がまず実感するのが、

「自分とは違う人がたくさんいる」

ということです。

そこで研修では、

「会社は友達を作る場所ではない」

という話をしました。

もちろん人間関係は重要です。

しかし組織は、気の合う人だけが集まる場所ではありません。

考え方や経験、立場が異なる人たちが協力しながら成果を生み出していく場です。

だからこそ、多様性を理解することは「仲良くするため」ではなく、

「協働するため」

に必要な力であることをお伝えしました。


人は皆違うという前提を理解する

研修ではまず、

「人は皆違う」

という前提について考えていただきました。

同じ新入社員同士であっても、

・細かく教えてほしい人
・まず自分でやってみたい人
・人前で評価されることが嬉しい人
・あまり注目されたくない人

など、価値観や考え方はさまざまです。

また職場には、

・異なる世代
・異なる職種
・異なる経験

を持つ人たちがいます。

営業担当は売上を重視するかもしれません。

技術担当は品質を重視するかもしれません。

管理部門はルールやコンプライアンスを重視するかもしれません。

それぞれが間違っているわけではなく、

立場によって見ている景色が違う

ということを理解することが、相互理解の第一歩になります。


ダイバーシティは「組織の強み」になる

研修では、

「なぜ組織に多様性が必要なのか」

についても考えました。

変化の激しい時代において、似たような考え方だけで構成された組織は、視野が狭くなりやすくなります。

一方で、多様な価値観や経験を持つ人がいることで、新しい発想や気づきが生まれます。

特に新入社員は、まだ組織や業界の常識に染まっていない存在です。

ベテランにとって当たり前になっていることに対して、

「なぜこのやり方なのだろう?」

という疑問を持つことができます。

その視点が、組織に新たな気づきをもたらすこともあります。


違いがあるからこそ、コミュニケーションが重要になる

ただし、多様な人と働くことは簡単ではありません。

価値観が違う。

意見が合わない。

考え方が理解できない。

そうした場面は必ずあります。

だからこそ重要なのは、

「相手を決めつけないこと」

です。

研修では、

・自己開示
・他者理解
・アサーティブコミュニケーション

をテーマに、互いの違いを理解しながら関係性を築く方法についても学んでいただきました。


ダイバーシティとハラスメント、メンタルヘルスはつながっている

今回の研修では、ダイバーシティだけでなく、

・ハラスメントに関する正しい知識
・指導とハラスメントの違い
・フィードバックの受け止め方
・メンタルヘルスとセルフケア

についても扱いました。

多様な価値観を持つ人が集まる組織では、

「自分にとって当たり前」が相手にとっても当たり前とは限りません。

だからこそ、

相手を理解すること

そして自分自身を理解すること

その両方が重要になります。

近年では、

・ダイバーシティ推進
・ハラスメント防止
・心理的安全性向上

を別々のテーマとして扱うのではなく、

「多様な人材が協働するための土台づくり」

として、新入社員研修の段階から学ぶ企業も増えています。


おわりに

研修後、ある受講者から次のような感想がありました。

「価値観が違うこと自体が問題なのではなく、その違いを知らないまま働くことが問題なのかもしれないと思いました。」

組織の中で意見の対立が起こることは珍しいことではありません。

重要なのは、違いをなくすことではなく、

違いを理解しながら協働できる関係性を築くこと

です。

また実際には、新入社員だけでなく、受け入れる側もまた、

「最近の若手は分からない」

と感じていることがあります。

世代や立場による認識の違いは、どちらか一方の問題ではなく、互いに理解しようとする姿勢によって埋めていくものです。

ダイバーシティという言葉を聞くと、制度や属性の話として捉えられることもあります。

しかし現場で本当に重要なのは、

「人は皆違う」という前提に立ちながら、互いを理解し、協働すること。

これからの組織に求められるのは、同じ価値観を持つ人を集めることではなく、

違いを活かしながら成果を生み出せる組織づくり

なのかもしれません。

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