コラム2026/03/25
【コラム】「○○ハラ時代」に求められるマネジメントの新常識― 新年度前に見直したい、ハラスメントとの適切な向き合い方 ―
新年度を迎え、組織体制やメンバーの入れ替えが進むこの時期。
多くの企業において、マネジメントのあり方を見直すタイミングでもあります。
近年、管理職の方々から特に多く寄せられるテーマの一つが、ハラスメントへの対応です。
「どこまでが指導で、どこからがハラスメントなのか判断が難しい」
「リスクを意識するあまり、必要な指摘やフィードバックができない」
こうした声は年々増加しており、現場における戸惑いの広がりがうかがえます。
本コラムでは、ハラスメントに関する近年の動向を踏まえながら、新年度に向けて整理しておきたいマネジメントの視点について考察します。
増え続ける「〇〇ハラ」と職場への影響
パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントに加え、近年では以下のような言葉も広く知られるようになりました。
アルコールハラスメント(アルハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)、リモートハラスメント(リモハラ)、カスタマーハラスメント(カスハラ)、SOGIハラスメント、フキハラ、ロジハラ、スメハラなど、多様な概念が生まれています。
こうした変化の背景には、働く人の価値観の多様化や、人権・尊重意識の高まりがあります。
一方で、ハラスメントに対する過度な警戒が、必要なコミュニケーションや指導の萎縮につながっているケースも見受けられます。
今求められているのは、単に知識を増やすことではなく、
「何が適切で、どこまでが許容されるのか」を自組織として判断できる基準を持つことです。
新年度前に整理しておきたい2つの視点
1.組織・チームとしての「NGライン」を明確にする
ハラスメントの定義を個人の感覚だけに委ねてしまうと(法令や一般的な基準は前提として)、関係性の構築が難しくなり、必要な指摘や対話が機能しなくなる恐れがあります。
そのため重要なのは、
組織としての許容範囲とNG行為を言語化し、共通認識を形成することです。
また、その前提として、自身の言動が相手にどのように受け取られているかを振り返る姿勢も求められます。
2.「指導」と「ハラスメント」の違いを理解する
現場で多く見られる課題の一つが、「ハラスメントを恐れるあまり指導ができない」という状況です。
ここで改めて整理しておきたいのは、指導とハラスメントは本質的に異なるという点です。
- ・指導:相手の成長を目的とし、行動に対して改善を促す関わり
- ・ハラスメント:相手を傷つける、あるいは人格を否定する関わり
例えば、業務上の行動や進め方に対する指摘は指導にあたりますが、人格や性格そのものを否定する発言はハラスメントリスクが高まります。
特に重要なのは、伝え方のあり方です。
同じ内容であっても、感情的な表現や伝え方によって受け取り方は大きく変わります。
これからのマネジメントには、
「何を伝えるか」に加えて「どのように伝えるか」を設計する視点が求められます。
※なお、ハラスメントは本人に悪意がなくても成立する場合があるため、意図だけで判断しないことも重要です。
「萎縮しない組織」をつくるために
ハラスメントは当然ながら防止すべきものですが、
過度に恐れることで、必要なフィードバックや対話が行われなくなると、組織としての成長機会を失うことにもつながります。
重要なのは、ハラスメントを避けることと同時に、
適切な関わりを通じて相手の成長を支援することです。
新年度は、こうした関係性を再構築する絶好の機会と言えるでしょう。
日本ODコンサルタンツのハラスメント研修
日本ODコンサルタンツでは、単なる制度や法律の理解にとどまらず、現場の実態に即したハラスメント研修を提供しています。
- ・本音の可視化
アンケートや対話を通じて、現場が抱える不安や課題を明らかにする - ・実践トレーニング
具体的な場面を想定し、「どこまでが指導か」「どのように伝えるか」を体験的に学ぶ
知識として理解するだけでなく、
現場で実際に活用できるコミュニケーションへと落とし込むことを重視しています。
おわりに
ハラスメントへの対応は、単なるリスクマネジメントではなく、
組織のコミュニケーションの質そのものに関わる重要なテーマです。
必要以上に萎縮することなく、適切な指導と対話が行われる職場を実現するために。
この機会に、自組織の関わり方を見直してみてはいかがでしょうか。
ハラスメントに関する研修や組織づくりについてのご相談も承っております。
お気軽にお問い合わせください。
コラム
2026/03/11コラム




