-
羽地 朝和
はねじ ともかず「受講者自らが気づき、学ぶ場」を創り、「共に学ぶこと」を大事にしています。「自分を大切にして自分をいかせる」「他者をいかして相互に支え合える」人財の育成を目指しています
インタビュー
どのようなきっかけで講師になろうと思ったのですか?
私が人材教育という領域と出会ったのは22歳の時です。初めて仕事に就いた社会産業教育研究所で、研修の企画や事務局、営業の仕事を経験しました。スタッフとして10年間、様々な講座に付き添った経験を通して、教育やトレーニングをライフワークとする苦楽(?)を学び、「研修・ワークショップとは何か」ということを自分なりに築いてきたのだと思います。
次に私の人生を大きく変えたのが、プレイバック・シアターとその創始者ジョナサン・フォックスです。プレイバックシアターは即興劇を応用したワークショップです。プレイバック・シアターは今や私にとってはライフワークです。22歳の秋に、ジョナサン・フォックスのプレイバック・シアターに初めて参加し、そこでのびのびと我を忘れて心から楽しんでいたことを覚えています。プレイバック・シアターをグループセラピーや様々な社会活動に応用する為の勉強がしたくて、NYのSchool of Playback Theatreに6回通いました。そして日本に合ったプレイバック・シアターの探求と様々な領域で活動がしたくて1997年にプレイバック・シアター研究所を設立しました。現在では劇団”プレイバック らしんばん”を主催して、企業研修だけでなく様々な施設や団体でプレイバック・シアターを仲間と共に実施しています。
もうひとつ私が大きな影響を受けたのが、Tグループ(トレーニンググループ)に代表されるラボラトリー方式の体験学習です。この手法は南山短期大学人間関係センターの中堀仁四郎先生と山口真人先生のトレーニングを受けたのですが、私にとって大きなインパクトがあり、人間関係トレーニングの本質にここで触れることができました。ここでの体験を通して、私が大切にしている”本人自ら気づき、学ぶ場”をつくり、”共に学ぶ”という講師としての姿勢を学びました。私が講師としてある限り、この領域から常に学び続けることでしょう。
このように自分の歩みを振り返ってみると、私は様々な人から影響を受けて、自分がやりたいことを見つけ、そして幸せなことに現在は自分がやりたいことを仕事として続けています。ですから、自分が夢中になる事をしているうちに、いつの間にか講師と呼ばれるようになっていた、というのが私の実感です。
研修を行うとき、また参加者との関わりについて、心がけていることはどのようなことですか?
私はこのような姿勢で仕事を行っていますので、研修に参加してくださる皆さんにも「自分がやりたいことを自分の責任で行い、そして自分らしく生き、自分と周囲の人の幸せをつくろう」という私のメッセージを伝え、その為のお手伝いを研修を通してできたら良いなと常々思っています。
この変化の時代において必要とされる社員教育とは、どのようなものだと考えますか?
これからの研修や人材教育を考える上でのキーワードは2つあると思います。「自分を大切にして、自分をいかす」そして「他者をいかして相互に支え合う」です。
変化が激しい時代だと言われています。わずか1年後、2年後のことであっても、想像もつかない社会の変化がいくつも起こっていることでしょう。
このような時代だからこそ、自分の中の変わらないもの、本当に自分が大切にしたいものをはっきりと持っておくことが重要だと思うのです。それは、世の中がいくら変わっても流されず、自分の芯にしっかりと根ざしているものです。そして周囲がどう変化しても、その芯になるものを大切にして、自分をより良くいかす為に周囲の変化に応じて自分自身を変革し、新たに始めることを見極める、そんな能力が必要でしょう。そしてそれを具体的に行動できるようにすることが、社員教育に求められることのひとつではないでしょうか。
もうひとつ大切なのは、「他者をいかして相互に支え合う」ということです。これはビジネス界だけでなく国際関係、環境問題、社会問題、そして身近な人間関係においても共通して大切なことです。これからの社会で一人ひとりが幸せになり、未来に向けて存在し続けるには、自分一人だけが幸せになったり、自分一人だけが繁栄し続けるということはありえません。相互に助け合い、他者をいかすことが全てにおいて重要になってきます。
ビジネスの世界でもそのことは言えます。相手と互いに助け合い、互いにOKの関係をつくり、互いに相手の良さを引き出し合う関係を構築することが必要です。根本にはそのような関係がある適正な競争が、ビジネス社会の中でますます求められてくるでしょう。このような相互に支え合う関係を仕事の中で築けるスキルが、これからのビジネスパーソンには求められています。
切り口、アプローチ、手法は様々でしょうが、このふたつの要素が根底にある研修がこれからますます必要になるのではないかなと思います。
プロフィール
大学卒業後、社会産業教育研究所に営業企画として入社。交流分析・行動科学・ゲシュタルトセラピーなどに触れ、米国のエサレン研究所・オメガ研究所のワークショップに参加。またプレイバック・シアター創始者ジョナサン・フォックスの窓口を10年間担当、その指導を受ける。1993年よりNYのSchool of Playback Theatreにて学び、1998年卒業。1997年プレイバック・シアター研究所を設立。現在、様々な企業の教育研修を担当し人事・教育体系コンサルティングを行うと同時に、精神科クリニックにてプレイバック・シアターを応用した集団精神療法を担当。大学・各種専門学校で人間関係論の講座も担当している。 1998年より、日本ODコンサルタンツに教育トレーナーとして参加。
専門分野
・TAと体験学習を応用した研修
指導育成スキル研修/対人能力向上セミナー/各階層別研修
リーダーシップスキル研修/キャリア開発研修
職場開発トレーニング(ファミリートレーニング)
・プレイバック・シアターをTAや体験学習と組み合わせた研修
コーチング研修
個人の抱えている問題を整理しパワーアップを図る研修
職場内の相互理解とチームワークづくり研修
人生を振り返りこれからの生き方を考えるライフプラン研修
創造性と感性を伸ばすセミナー
グループカウンセリング
(活気がない職場・ストレスのたまった職場に対するアプローチ)
・スキル研修、コンサルティングなど
組織の目標達成の為のコンサルティング/プレゼンテーション研修
会議のすすめ方研修/コンサルティングセールス
・メンタルヘルスケア研修