渡辺　整

元来、私は問題解決が好きな人間なのですが、多くの人が問題を抱えているのが「働き方」「仕事との向き合い方」「他者との接し方」「成果の出し方」です。身の周りの関係者の問題を耳にしながら、「自分ならどうするかなぁ」「例えば、こういうことをしてみるのはどうだろう」と解決策を提示していく中で、アドバイザーやメンターといった経験を経て、研修講師という仕事に行きつきました。
もともとは研修企画・研修営業の仕事をしていたのですが、「渡辺さん自身、講師はしないのですか？」と声をかけていただくことが増え、「やってみようかな」と決断し足を踏み出した、というのが本当のところです。

研修に参加された方が「そうか！そうすればよかったんだ！」と気づき、ヒントを得た瞬間です。
「マネジメントが上手くいかない」「営業成績が上がらない」「関係者とのコミュニケーションで失敗ばかりしてしまう」「自分の考えを上手く整理できず、上手く相手に伝えられない」など、様々な課題や悩みを抱いていた方が、講義やグループディスカッションの中で、“はっ”と何かに気づいたとき、その参加者の顔が光ることがあります。
そして、その直後に訪れる、安堵したような、喜びを感じたような、鳥肌がたったような、“してやられた！”というような表情の変化を感じ取り、見ることができたとき、「あー、この仕事をしていて良かった！」と私も幸せを噛み締めます。

研修に登壇する際に心がけていることは、「意見・主張は伝える。でも、それを押し付けない」「理想論を語らない。現実的な解決策を提示する」「ニコニコ笑顔を絶やさない」という３つです。
参加者の中には“正解”を求める方もいらっしゃいますが、私の“解”が誰にとっても理想的なものとは限りません。私なりに意見や主張は持ちつつ、その価値観や判断を絶対のものとして押し付けることはしないよう留意しています。
また、翌日、誰もが実践できるテクニックを紹介するよう心がけています。「理想はそうだけど」「それは渡辺さんだからできることでは？」と思わせてしまっては参加者の現状は変わりません。現実的かつ実現可能なアドバイスで、参加者の行動を変えてもらうことを目指しています。
そして、研修講師が怖い顔をしていたり、不機嫌そうにしていたりしたら、参加者の意欲は低下してしまいます。とにかくニコニコ笑顔を心がけています。逆に笑顔のまま、結構、厳しいことを申し上げることもあります。

社員の可能性に気づき、開花させ、それを成果につなげ、組織力・チームパフォーマンスにつなげる礎となる教育の機会こそが、今の時代に求められること・ものだと考えます。
完璧な人材なんてどこにも存在しません。ならば今いるメンバーで、可能性を引き出し合って、力を引き出し合って、成果を出すしかないはずです。そんな時にこそ、可能性を見つけ合えるような機会や出逢い、可能性を引き出し合えるようなきっかけやタイミングが必要だと思うんです。
新たな切り口を学び、新たな気づきを得る中で、「自分にはこういうことができるんだ」「自分達のチームには可能性が秘められていたんだ」と実感できるチャンスが、研修の中にあったら素敵だと思いませんか？

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