信頼で人を動かす
中堅社員・リーダー層の想い・決意
- 「自分ひとりの成果だけでなく、チーム全体に好影響を与える人でありたい」
- 「やり方だけでなく、どうありたいのか、なぜやるのかを考えて仕事をしよう」
- 「チーム全体の雰囲気は、自分を含めた一人ひとりがつくっているんだ」
- 「自分の強みや課題を知って伸びしろをひろげて成長したい、チャレンジしたい」
- 「問題と感じることを周りや環境のせいにしたいけれど、自分が動けば変わるんだ!」
- 「目の前の仕事に埋没するだけでなく現場の中核として、危機感や主体性をもって行動しよう」
- 「マンネリ感・閉塞感への不満や漠然とした不安ばかりにとらわれず、いまできていることや、仕事の意義を大事にしよう」
中堅社員・リーダー層研修について
中堅向け研修の位置づけ
中堅社員は、仕事の推進役として、また将来組織をけん引するリーダー候補としても、とても重要な存在です。そのため様々な観点において周囲からの期待も高くなりますが、実際には、同じ組織でも環境や経験の違いによって同世代の中堅層でも実績に差がついていたり、組織全体が見えてきたからこその不満を持っていることがあります。また、プライベートでもライフステージの変化があるなど、仕事や人生全体について深く考える機会が増え、自組織で働き続けることに迷いが生じ転職を考えたり、働く意欲が低下してしまうこともあります。更に、若手層と異なり、中堅層は放置され周囲からの支援も不足しがちな傾向です。
中堅層への期待役割としてどの組織でも共通しているのは、たとえ役職にはついていなくとも、 今までは踏み込まなかったことにチャレンジし、現場の中核人財として周囲へ良い影響力を発揮しながらチームの目標達成を主導すること。役職のない中堅層だからこそ、信頼で人を動かすことを意識しながら、プレマネジメント的な経験を積んでおくことが重要です。
しかし、このような期待を中堅層に体現してもらうには、一筋縄ではいかないことが多くあります。ルーティンワークに追われて忙殺されている人、それを言い訳にする人、現状のままがいいと感じている人、役職者への遠慮がある人もいれば、組織に対する諦めや業務の閉塞感を抱いている場合もあるからです。
研修設計のポイント
周囲からの期待を丁寧に伝える
このような中堅層に、職場で起こっている様々なことを自分事としてとらえ、現場の中核人財として良い影響力を発揮してもらうには、単発の研修だけでなく、研修で職場の課題を持ち寄って解決のヒントを得る研修や、職場の上司も巻き込んだ、継続的な実践を促す支援が重要だと考えています。課題が多岐にわたる中堅層だからこそ、一人ひとりに寄り添ってまずはその人の頑張り・存在をしっかりと承認したうえで、組織からの感謝や期待を丁寧に伝えていくことが必要です。研修前には、上司や周囲の方から本人へ、尊敬しているところ、手本としていること、感謝していることなどのプラスのメッセージと、改善してほしいこと、強化してほしいこと、さらに期待したいことといった成長課題にかかわるメッセージを丁寧に伝えていただくことを推奨しています。こういった具体的な承認と期待を得てはじめて、自己変革へのスタートラインに立つことができるのではないでしょうか。
そして研修後も、実践のサポートや機会提供などを促してもらえるよう、上司や周囲とのコミュニケーションの場を設定します。これらの研修前後のサポートやかかわりの大切さは、中堅層のみに限ったことではありませんが、多くの悩みを抱えながらもステップアップしてもらいたい中堅層であれば尚のこと重要です。
組織で起きていることへの当事者意識を高める
一人ひとりを観察すれば、問題意識やこうすべき、という考えをしっかり持っている方が多数を占めます。そのため研修中では、会社への不満や問題意識、将来への漠然とした不安など、抱えている多くの想いを吐き出し、メンバー同士が互いに本音で語りあうなかで、真剣に考えアドバイスしあい、自らの答えを自らの言葉で紡ぎ出していくことが大切です。
研修の流れとしては、「自分に関すること=自分の考え、行動、問題」にフォーカスするところからはじめ、自分の問題から組織全体を考える、というステップで当事者意識を高めていきます。周囲や組織への関心を呼び起こしていくために、自社の若手の生の声を示したり、ときにはあえて一般的な中堅層の成長段階を示すなど、様々な角度から気づきを促します。
組織で起きているあらゆることに対して、自身の関与の度合いを拡げていきながら、中堅社員として改めて、自分にとっての働くことの意味ややりがいを再確認することも大切です。ぜひ忘れないでほしいポイントは、携わっている日々の仕事は、この世の誰かを必ず影で支えているということ。一つひとつの仕事が自社や社会とどうつながっているのか。それを若手にも伝えていってほしいのです。